映画：ツレがうつになりまして～『離婚します』の一言がうつ病の悪化を防ぎました

ある日、ツレ（堺雅人）が『死にたい』とつぶやきました。

映画『ツレがうつになりまして。』予告編

以下の内容はネタバレを含みますので、ご注意ください。

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『🎦ツレがうつになりまして』

「ツレがうつになりまして」
出演者紹介

登場人物の名前	俳優（出演者）	どんな役？特徴は？
髙崎幹夫	堺雅人	通称：ツレ
髙崎晴子	宮崎あおい	通称：ハルさん
髙崎和夫	津田寛治	幹夫の兄
栗田保男	大杉漣	栗田理髪店。ハルの父
栗田里子	余田貴美子	栗田理髪店。ハルの母
津田部長	田村三郎	ツレの上司
小畑	中野裕太	ツレの部下
三上隆	梅沢冨美男	会社の顧客
加茂院長	田山涼成	病院の先生
杉浦	吹越満	病院の患者

『会社を辞めなければ離婚する！』
その一言により、ツレは救われました。

食欲がない…背中が痛い…死にたい…

ハルさん（髙崎晴子）の『会社をやめないなら離婚する』という言葉がなければ、ツレのうつ病はさらに悪化していたかもしれません。

ハルさんとしても、夫が仕事を辞めると困る。自分の漫画の仕事が終わってしまったからどうしよう。大変だったと思います。

誰かを支えるのはとても勇気がいり、労力が必要ですが、愛する人のために言いました。素晴らしい妻ですね。

出典：映画.com

『ツレうつ』
ツレを苦しめる人や考え方

ツレ（髙崎幹夫）は、その思考や環境により、うつ病になりやすい状況を生み出していました。

会社でのクレーマーの対応
クレーマーは三上隆（梅沢冨美男）

「誰でも使いやすいパソコンにしてくれ。会社の商品が不親切だ」

お前じゃ話にならないと会社の上司に手紙を送り、上司からはひどく怒られてしまいます。

ツレは理不尽に怒られます。クレーマーを対応するには骨が折れますね。

満員の通勤電車

ツレの朝から嫌になる出来事の一つです。

電車で身動きが取れないほどの人混みは、非常に疲れます。

真面目で几帳面な性格

真面目で几帳面な性格も、うつ病を引き起こす要因となります。

毎朝弁当を作り、チーズを入れ、曜日ごとに違うネクタイをつけ、話し方も丁寧。真面目で不器用な性格です。

『夜眠れないのがつらいんだ。昼間っからねるなんてできないよー。世間様に申し訳ない。』ツレの言葉からは真面目さがにじみ出ています。

責任感が強い

ツレはとても責任感が強い。『会社の人に迷惑を掛けるわけにはいかない。会社辞めちゃうなんて、そんなことできないよ。』

ハルさんが何度も病院に行ってと言わなかったら、会社を休んで病院にも行けなかったでしょう。

出典：映画.com

『ツレうつ』
ツレのうつ病の症状

食欲が低下する

ツレは食欲が落ち、何も食べたくない状態になりました。食事をとっても味が感じられなかったとのことです。

背中の痛み、吐き気

突然背中が痛くなるという症状がありました。うつ病では身体的な症状も現れます。頭痛や倦怠感、関節の痛み、吐き気などがそれにあたります。

意欲の低下

まるでスイッチが切れたかのように、何もする気が起きなくなったと述べていました。『僕お弁当つくれないよー。何もできないー』など

罪悪感、落ち込み

自分が何もできないと感じ、罪悪感に苛まれることがありました。ハルさんの漫画が売れないのも自分のせいだと責めていました。

不眠と過眠

悩み事による不眠や、逆に一日中寝てしまう日もありました。

性欲減退

「ごめん、今日はその気になれないんだ」とハルさんへの誘いを断ることもありました。

死にたい気持ち、自殺企図

会社の屋上から下を眺める場面で、死にたいという感情を抱いていたことを示しています。また、お風呂場でタオルで首を吊る自殺を試みる場面もありました。

ツレは一年近くかけうつ病を寛解させた

ツレは一年近くかけてうつ病を寛解させました。うつ病は良くなったり悪くなったりすることを繰り返し、元の状態に戻るには通常半年から一年以上かかると言われています。

うつ病の薬は効き始めるまで時間がかかる

薬は飲み始めてから効果が現れるまでに時間がかかることをツレも経験しました。

（うつ病の薬は飲んでからおよそ１０日から２週間ほどかかると言われています。）

ツレのうつ病治療法

日記をつける。認知行動療法の一環。その日の症状でも思い出でもかきます。

認知行動療法の一環として、その日の症状や思い出などを記録していました。

考え方の転換

ツレは、最初は妻のためにうつ病を治したいと考えていましたが、その思考は自分自身のためにうつ病を治したいという方向に変わりました。

うつ病を乗り切るための秘訣

焦らないこと、特別扱いをしないこと、そして自分にとって可能なことと不可能なことを見極めることです。

出典：映画.com

うつ病を改善するには
理解ある人の存在が何よりも助けとなります

「病院に行った方がいいよ」とハルさんは言ってくれました。また、ツレの健康を第一に考え「会社を辞めないなら離婚するよ」とも告げてくれました。

ハルさんはツレを気遣い、どんな時でも援助の手を差し伸べてくれました。そして、ツレのために、ハルさんはうつ病について勉強し始めました。

うつ病の治療には三つの方法があることを学びました。①薬物療法②心理療法③環境調整療法。しかし、何よりも大切なのは適切な休息を取ることです。

ハルさんのうつ病対処法
『壊れる前に休むことに意味がある』

壊れていない存在そのものが価値を持つということです。

壊れてからでは遅すぎる。

うつ病にとって最も大切なのは、壊れる前に休むことです。

ハルさんのうつ病に効く情報
『野菜をたくさんたべろ』

うつ病には野菜が良いという知識から、スーパーで大量の野菜を買ってきてくれました。

ハルちゃんのうつ病に効く情報
『セロトニンの材料であるトリプトファンを摂ろう』

うつ病は神経伝達物質であるセロトニンの伝達がうまく行かないことで発症すると言われています。

ツレがうつ病になった経験を通じて
ハルさんの愛を深く感じる場面がありました

感動的～同窓会での一幕

それは、二年ぶりの同窓会での一幕でした。

結婚式で交わした誓いを思い出し（中略）、ツレとの厳しい一年を経て、私たちは本当の夫婦になったと感じました。

ツレが私の隣にいてくれることが、どれほどありがたいことか。このシーンには涙が止まりませんでした。

ツレの自己受容とハルさんの援助

ツレがうつ病になってから、最初は自己受容が難しく、ハルさんの援助も受け入れられませんでした。

しかし、ツレが自分の病状を認識し、自己受容を始めると、ハルさんの援助も受け入れられるようになりました。

ハルさんの愛情によるサポートと理解が、ツレが自己受容を進めるための大きな力となったのです。

結局、ツレがうつ病を克服する道程は、自己受容と自己改善、そして愛する人との絆を深めるプロセスであったと言えます。

そして、ツレとハルさんの物語は、我々視聴者にとっても、人間の弱さと強さ、愛の力、そして自己受容という大切な教訓を教えてくれました。

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以上が映画『ツレがうつになりまして』の感想と分析になります。

観る者それぞれが様々なメッセージを受け取れる作品で、とても感動的な映画です。

うつ病を経験したことがない方でも、多くの教訓と感動を得られることでしょう。

最後に、うつ病は一人で抱え込むべきではないというメッセージを忘れずに、愛する人への思いやりを忘れずに生活していきましょう。

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