本作は、主人公スザンナ・ケイセンの実体験に基づいています。
アンジェリーナ・ジョリーは、凶暴な精神患者の役柄を見事に演じている。驚異的な演技力だ!
この作品においてアンジェリーナ・ジョリーはアカデミー助演女優賞、ゴールデングローブ賞助演女優賞、全米映画批評家協会賞新人賞を獲得しました。
以下の部分はネタバレを含みます。
まだご覧になっていない方は、ぜひ一度ご覧ください。【🎦17歳のカルテ】
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「17歳のカルテ」のキャストと役柄
登場人物の名前 | 俳優名 | どんな役?特徴は? |
---|---|---|
スザンナ・ケイセン | ウィノナ・ライダー | 境界性パーソナリティー障害をもつ主人公 |
リサ・ロウ | アンジェリーナ・ジョリー | 反社会性パーソナリティー障害と拒食症を抱える |
ジョジーナ・タスキン | クレア・デュヴァル | 「オズの魔法使い」の住人 |
デイジー・ランドン | ブリタニ―・マフィー | 父親から性的DVを受けている |
ポリークラーク | エリザベス・モス | 顔面に火傷を負った女性 |
ヴァレリー・オーウェンス | ウーピー・ゴールドバーグ | 黒人女性看護師 |
トビー・ジェイコブズ | ジャレッド・レト | スザンナの恋人 |
ジョン | トラヴィス・ファイン | 男性看護師、スザンナとキスを交わす |
「17歳のカルテ」のネタバレ解説
主人公スザンナ・ケイセン(ウィノナ・ライダー)は、アスピリンとウォッカを大量に摂取し、病院へ搬送されます。
病院に着くと、彼女は自殺未遂を疑われ、カウンセリングで反抗的な態度を示します。
カウンセラーはスザンナの病状を深刻に受け止め、クレイムア精神病院への強制入院を決定します。
そして、退院までの一年間の物語が始まります。
アンジェリーナ・ジョリー演じるリサ・ロウや他の精神的な問題を抱えた患者たちと関わりながら、スザンナは成長していきます。
なぜスザンナは
「手に骨がない」と言ったのか?
映画の序盤において、スザンナは「手に骨がない」と述べ、カウンセラーから「骨が無いのにどうやってアスピリンを飲んだのか?」と返されるシーンがあります。
スザンナは境界性パーソナリティ障害を持っているため、彼女のこの発言は病気の症状から来ているとは考えられません。
むしろ、大量のアスピリンとウォッカを摂取した結果、彼女の精神が錯乱し、手に骨がないという妄想に取り憑かれたのだと思われます。
なぜデイジーは
ベッドの下にチキンを隠していたのか?
デイジーの父親は、チキン販売の会社に勤めており、彼がよく家に大量のチキンを持って帰るからです。
デイジーは多量に食べたチキンを排泄するために便秘薬を必要としていました。
父親に対する彼女の複雑な感情が、チキンをベッドの下に隠す行動につながっていました。
その証拠に、彼女は父親に逆らえず、それを捨てることができませんでした。
デイジーは父親に精神的に依存しており、これは共依存の一形態とも考えられます。
なぜデイジーは
死んでしまったのか?
デイジーは、父親から不健全な形で愛情を受けており、性的な要求を強いられていました。
リサが訪ねてきたときに、「父親と関係を持っているんだろ?」と彼女の状況を見抜かれ、その真実に直面しました。
本当は父親とそうした関係になりたくはなかったデイジーですが、それを断ることができませんでした。
リサの厳しい言葉に傷つき、デイジーは自殺を選んだのです。
ポリーが顔に火傷を負った理由
ポリーが火傷を負ったのは10歳の頃で、母親から顔の湿疹を理由に犬を捨てるよう命じられました。
これに対して、彼女は父親のガソリンを湿疹につけて火をつけてしまいます。
スザンナと彼女の恋人トビーが親密な瞬間を見て、ポリーは自分の火傷跡が人々から遠ざけていると感じたのでしょう。
しかし、スザンナと看護師のジョンが濃厚なキスを交わすシーンでは、彼女は歌を歌ってポリーを慰めています。
『17歳のカルテ』の名言
『自分で理解できない病気が治せると思う?』
この名言は、スザンナが自分自身の精神疾患を理解し、その病気に対処する方法を見つけるための第一歩を踏み出したことを示しています。
彼女が自己認識の旅を始め、自分の状態を理解しようと努力することで、彼女の病状は徐々に改善されていきます。
また、この言葉は医療界全般、特に精神医療に対する挑戦でもあります。
それは、治療が効くためには患者自身がその病状を理解し、受け入れる必要があるという真実を指摘しています。
そのため、医者だけでなく、患者自身も病気の一部として積極的に関与することが求められるのです。
この名言は、精神的な問題を抱える人々が経験する困難と挑戦、そしてその問題を克服するためには自己認識と理解がいかに重要であるかを浮き彫りにしています。
『17歳のカルテ』
リサ(アンジー)の徹底考察
この映画に登場する患者の中で、最も病状が重いのは間違いなくリサ(アンジー)です。ここで彼女について詳しく考察してみましょう。
リサ(アンジー)の病気は
反社会性人格障害
彼女は作品中で看護師や他の患者に対して反抗的な態度を取ります。
リサが初めて登場するシーンでは、複数の看護師に取り押さえられ、鎮静化のための注射を打たれます。
リサの行動からは、罪悪感を感じることが少なく、他人を傷つけることを何とも思わない特徴が見受けられます。
リサ(アンジー)は
ショック療法を受けている
「もうショック療法はいやだ」と彼女は叫びます。
ショック療法とは、電気けいれん療法のことで、頭部に電流を流す治療法です。
この治療法は通常、症状が重く治療が難しい患者に対して行われます。しかし、リサはこの治療法を強く嫌がっています。
「親は私の死を望んでいる」
映画の終盤では、「親は私の死を望んでいる」と泣きながら話しています。
彼女は病棟内では常に強気で、ボス的な存在となっていますが、内心では最も傷ついているのかもしれません。
その反抗的な態度は、彼女の内面的な苦悩の表れなのかもしれません。
親が自分の死を望んでいると感じているリサには、壮絶な過去が存在していました…
まだご覧になっていない方は、ぜひ一度ご覧ください。【🎦17歳のカルテ】